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日本最古の巡礼路とされる西国三十三所の寺院が3月、東日本大震災の犠牲者を供養する「平成の東北出開帳(でがいちょう)」を仙台市近郊の宮城県利府町で開く。各寺本尊の仏画である「御軸(おじく)」の前に各霊場の砂を固め、1番札所から順に巡れるようにする。生者が未来に歩き出すための祈りと癒やしの場をめざす。
出開帳は、本尊や秘仏を安置する寺院以外で公開すること。関西一円にある三十三寺院は、関東大震災など災害時にそろっておこない、阪神大震災では本拠での「居開帳」で慰霊した。実行委員長の村主(すぐり)康瑞・中山寺派管長は「観音様は生者の願いを聞き、死者を極楽に導く。御軸とともに現地に行こうと全寺一致で決めた」と話す。
遺体安置所として使われた運動公園「グランディ・21」で、3月6~8日に開催。ステージには長谷寺(奈良県桜井市、8番札所)の巨大な御軸(縦14.05メートル×横6.54メートル)を掲げ、清水寺(京都市、16番札所)の森清範貫主らの法話や読経会も行う。「生かされていることに意味がある。宗教や宗派を超えて観音像の慈悲の姿に心をゆだね、悲しみを忘れるのではなく乗り越える助けになれば」と村主管長。
入場無料。法話開催時のみ混雑を避けるため事前申し込みを受ける。問い合わせは事務局(06・6937・2338)へ。
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